こんにちは。
声優タレント科で「朗読実習」を担当しています 守屋 陽子 です。
先週のオープンキャンパスは 朗読レッスン でした。
今回のレッスンでは、
青空文庫朗読コンテスト 「高校生の部」の課題にもなっている
芥川 龍之介 の 「蜘蛛の糸」 をレッスンしました。
今回レッスンしたのは、第二章の部分。
カンダタの目の前に蜘蛛の糸が垂れてくるシーンですね。
すると、そのひっそりとした暗の中を、遠い遠い天上から、
銀色の蜘蛛の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるように、
一すじ細く光ながら、するすると自分の上へ垂れて参るのではございませんか。
(芥川龍之介「蜘蛛の糸」より抜粋)
活字だけを追っていると、固い朗読になってしまいますが、
みなさん、どうでしょう?
光に当たってきらっと光る蜘蛛の糸、見たことありませんか?
光が当たるまで気づかなかったのに、きらっと光って「あ!蜘蛛の糸がある!」と気づくことあるでしょう?
その時の様子を想像してみてください。
しかも天上の上の方!
光が当たって銀色に輝く「蜘蛛の糸」が天上から、細くて一瞬きらっと光ってするすると自分の方へ垂れてきます。
想像できましたか?
では、改めてどうぞ。
すると、そのひっそりとした暗の中を、遠い遠い天上から、
銀色の蜘蛛の糸が、まるで人目にかかるのを恐れるかのように、
一すじ細く光りながら、するすると自分の上へ垂れて参るではございませんか。
どうですか?
想像していた通り表現できましたか?
このように、朗読をするときに、自分が今まで見た景色などを思い出しながら読んでみると、声が豊かになってきませんか?
それが音になって伝わると、とても楽しくなってきますよね。
ちなみに、「遠く遠く」など、同じ言葉が繰り返されるときは、一つ目の「遠く」と二つ目の「遠く」の表現にも変化があります。
一つ目の「遠く」よりも、二つ目の「遠く」の方が、より遠いですよね。
そこにも意識をおいていくと楽しいと思います。
ぜひ、チャレンジしてみてください!
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