みなさん こんにちは。
声優タレント科2年生は、6月16日の朗読コンテストに向けて
絶賛マンツーマンレッスン中です(笑)
今日は、文中の会話を生きた会話として成立させる方法を考えてみたいと思います。
参考に、江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」の一部を使ってみます。
「絶対に発見されない犯罪というのは不可能でしょうか。僕は随分可能性があると思うのですがね。例えば、谷崎潤一郎の『途上』ですね。ああした犯罪は先ず発見されることはありませんよ。尤も、あの小説では、探偵が発見したことになってますけれど、あれは作者のすばらしい想像力が作り出したことですからね」と明智。
「イヤ、僕はそうは思いませんよ。実際問題としてなら兎も角、理論的に云って、探偵の出来ない犯罪なんてありませんよ。唯、現在の警察に『途上』に出て来る様な偉い探偵がいない丈ですよ」と私。
この会話を生きた会話として考えてみます。
この文章には、「 」の後に [と明智] [と私] という語り部分が存在します。
この一言があることにより、意識の中で会話が中断されてしまいますよね。
ですので、練習の時はこの一文を消します。
「 」と「 」 つまり、セリフ同士の文章になりました。
では、これで読んでみてください。
どうでしょう?意識がつながりましたか?
さらに意識をそれぞれの対象に向ける方法として
落語のようにそれぞれのセリフを言う時に体の向きを変えてみます。
例えば、「明智」のセリフは右を向いて、「私」のセリフは左に向いて読んでみてください。
どうですか?
会話をしているように、それぞれのセリフの向かう方向が変わりましたか?
人の意識って不思議なもので、向きを変える(=視点を変える)と声の音が変化します。
体の向きを変えることによって、視点の先に会話の相手が見えてきませんか?
この【視点を変える】ことができるようになると、豊かな音で朗読できますので、ぜひ挑戦してみてください!
さて、練習して感覚をつかんだところで、消した一文は元に戻します。
元に戻しても、先ほど練習したように意識を途切れさせずに声に出して読んでみてくださいね。
このレッスンの様子は河原学園のyoutubeにアップされていますので
参考にご覧ください。
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